難題を次々解決するセレン
万病の元ともいわれる「活性酸素」ですが、セレンはこの活性酸素による酸化を抑える抗酸化システムで大きな役割をはたしています。
それは、グルタチオンペルオキジダーゼという抗酸化酵素の主成分がセレンであるからです。
人間の体内には、スーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼといった抗酸化酵素が存在し、発生した活性酸素を分解するために働いています。
しかし、これらの抗酸化酵素が全ての活性酸素を分解できるわけではなく、残された活性酸素は、血液や細胞膜の脂質を酸化して過酸化脂質に変えてしまいます。そして過酸化脂質は他の細胞をさらに次々と酸化していきます。
この過酸化脂質にはたらきかけて無害なものに変える力を持つのがグルタチオンという物質です。
そして、グルタチオンと過酸化脂質を引き合わせる役割を持つものがグルタチオンベルオキシダーゼです。
グルタチオンペルオキシダーズには、ヒドロキシラジカルを分解する作用もあります。
ヒドロキシラジカルは、過酸化水素が体内の鉄やどうと反応して発生する最も毒性の強い活性酸素です。
抗酸化酵素の構成要素として過酸化脂質やヒドロキシラジカルの分解に関わっているセレンは活性酸素の害から体を守る心強い味方です。 |
老化やガンを防ぐ
先のようにセレンは、ガンなどの発生に関与する活性酸素を抗酸化酵素の主成分としてはたらくことにより、細胞の参加が原因となる老化やガンを抑制するはたらきがあります。
長生きしたい人の心強い味方です。
その他にも、心筋梗塞やリュウマチ、白内障、アルツハイマー症の患者は、抗酸化酵素グルタチオンペルオキジダーゼがしっかり活動していないという報告があり、セレン摂取による治療が期待されています。
また、喘息や男性不妊の治療にも可能性があったり、最近ではHIV(エイズウイルス)に対する有効性も研究されているようです。
感染者がセレンとビタミンEを摂取すると赤血球と白血球が増え、他の病気に感染しづらくなるという報告もあります。
その他、動脈硬化は血液中のセレン濃度の低い場合に促進される等の結果もでているようです。
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